光学設計ノーツ22.フェルマーの原理から得られること 2
今回は、前回に引き続き“フェルマーの原理から得られること”について前回についての補足も含めて説明させていただきたい。
式、図番等は前回から連なっている。
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光学❝深掘り❞トピックス
21.フェルマーの原理から得られること
光学設計ノーツ21.フェルマーの原理から得られること
フェルマーの原理はこれまでにも触れてきたが、輝度不変則をフェルマーの原理に端を発する解析力学的な手法で証明することも出来る。
今回はその内容について触れさせて頂く。
屈折率が巨視的に分布している媒質においてのより汎用的な光線追跡のための微分方程式も輝度不変則を考えている、その極近くから得られる。
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20.ペッツバール和について
光学設計ノーツ20.ペッツバール和について
これまでに触れさせていただいた正弦条件同様、光学設計において重要な指針を与
えるペッツバール和について、今回は解説させていただく。
主にその導出についてではあるが、導出を知る事はペッツバール和をより適切に利用できることに繋がる。
1. 導出
図1からアッベの不変量1)….
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19.輝度不変則に拠らない正弦条件の導出
光学設計ノーツ19.輝度不変則に拠らない正弦条件の導出
これまで既に、正弦条件については解説させていただいた。
そこでは輝度不変則を利用した導出を行なった。
ここでは、よりオーソドックスな光線光学的導出方法について解説させていただく。
内容は主に下記、参考文献欄の文献により紹介されている内容による。
1 . 有限倍率時、軸上の正弦条件
ここで、光路図をもって正弦条件がどのように成立するか考えてみよう。
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18.ストローベルの定理と輝度不変則
光学設計ノーツ18.ストローベルの定理と輝度不変則
前回は共役関係にある物・像、S,S’についての輝度不変則を導きそこから正弦条件を求めた。
今回は共役関係に無い光斑S,S’(途中に光学系が存在していても良い)についてもこの輝度不変則が成立する事を示す。
必ずしも共役関係にある訳ではない、光源、被照明面の関係を扱う事の多い、一般的な照明系の取り扱いにおいてはこちらの考え方のほうがより重宝であろう。
そのためにはまず、ストローベルの定理を導かねばならない。
1.ストローベルの定理の導出と輝度不変則
光路中にレンズなどの光学系が存在する場合の、光学系を透過した輝度について考えよう。
図1にある様に、平面上の微小な面積dSを持つ光源Sからの光束が形成するある平面上の幾何光学的な光斑S’の微小な面積をdS’と置く。
ここではdSとdS’は共役関係に無い一般的な状態を想定する。
また、光線A、A’を定め、簡潔のために、この光線と光軸の定めるメリディオナル断面内に微小平面S,S’の法線が含まれるとする。
さらにこの断面内においてはS,S’はそれぞれ微小な長さdr、dr’で表わされることになるが、光源面上、点Aから微小な距離dr離れた位置にある点Bを設ける。
このBから光線AA’と平行に射出し、被照明面上において点A’から微小な距離dr’離れた位置にある点B’に至る光線を考える。
そして平面Sの法線と光線AA’のなす角度を、平面S’の法線と光線AA’のなす角度を’としよう。
物界、像界の屈折率はともに一様であり、それぞれn,n’とする。
さらに、Bから光線AA’への垂線の交点をCとする。
さらに光線AA’に沿った光路長[CA’]と[BC’]が等しくなるように光線BB’上に点C’を置く。
従って..。
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17.クラウジウスの関係より導く正弦条件
光学設計ノーツ17.クラウジウスの関係より導く正弦条件
正弦条件とは、良好に収差補正された結像光学系が必ずある程度は満たしている重要な条件である。
また、結像共役関係における輝度の不変性も照明光学系、結像光学系の明るさを考えるためには重要な基本原理である。
この“正弦条件”と“輝度の不変則”は“クラウジウスの関係”と呼ばれる関係式により結びついている。
本稿ではこのクラウジウスの関係を考え、共役関係における輝度不変の法則を導き、そしてそこから正弦条件について言及する。
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16.波動光学的波面と幾何光学的波面
光学設計ノーツ16.波動光学的波面と幾何光学的波面
今回は、これまで考えてきた幾何光学的波面と、波動光学的(物理的)波面の違いについて確認してみたい。
文字通り、物理的には波面と言えば後者を指すのであろうが、光学技術分野においてはむしろ、前者を示している場合も多く、少々複雑でもある。
1. その定義の違い
基本的は以下の定義が一般的である1)。
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15.波面収差と光線収差
光学設計ノーツ15.波面収差と光線収差
今回も波面収差に関連する内容であるが、より具体的に波面収差と、実際に写真画面上に現われる光線収差(横収差)との関連について述べさせていただきたい。
収差論において収差を解析する場合、像面上の幾何光学的照度分布を考える場合にも基本となる理論を提供する部分である。
全体的な流れとしては本連載13 回に直接繋がる。最初の図は13回2 図と同一のものである。
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14.波面収差について2
光学設計ノーツ14.波面収差について2
前回に引き続き波面収差についての基本的な考え方について述べさせて頂く。
なお、式、図番号は前回からの通し番号とする。
2. 参照球面の取り方による波面収差の変化
ここで、参照球面の曲率半径の取り方によって、波面収差量がどの様に変化するか考えてみよう。
図4において、P’0 は理想像点、S は理想像点を中心とする半径rの参照球面である。
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13.波面収差について1
光学設計ノーツ13.波面収差について1
点光源から射出した多数の光線がどうしても像面上で再び点として集まらず、ある面積の範囲に散らばり存在する現象が一般的な光学系において起こる。
これら、散らばりを収差と呼び、光学系を設計する際には、必ず考慮せねばならない量であり、また、この収差量を、光学的要素の適切な設定により、光学系の使用目的に応じた程度に押え込むことは光学設計者の重要な仕事の一つである。
収差というものは、多数の光線追跡の結果などからすると、一見、捉えどころの無い、無秩序なものの様に感じられるが、様々な基本的なタイプに分類・整理され、それらの性質が検討されていて、そこから生み出される理論は、光学系の設計、製作、そして利用に際して非常に重要な役割を果たしている。
本稿ではこの様な収差論の基本と成る、また、幾何光学とより精密な波動光学的評価を結び付け、その基礎となる波面収差について述べさせて頂く。
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