輝度不変則より B=B’と出来る。また(4)式から像面照度を考えれば
2
sincosB
sd
ds
E
(6)
或いは
2
sincosBE (7)
となる。(6)式から ds’が小さくなれば照度が向上することが分かる。これは変倍時、或いは歪
曲収差の発生により横倍率が部分的に変化した場合に起きる。ds’が小さくなっても、像界、
物界においてエネルギーは保存さねばならぬので(5)式においては、θ’が大きくなるかω’が小
さくなる必要がある。ω’はまさに主光線の方向を表し、(3)式における
に対応している。エ
ネルギー保存則的には、この像界での主光線角度が変化或いは、やはり像界での光束の集光角
θ’の変化が要請され、像面位置が固定されている場合には、これは
が特定の値を採るとき
以外は射出瞳が、この画角に対しては、肥大化することを意味し、瞳収差の存在を示唆する。
まさに(3)式の表す現象を示している。歪曲収差により ds’が変化する場合には主光線方向ω’
も自ずと歪曲収差により増減の同じ方向に変化することに留意せねばならない。
3. 参考文献
1) 松居吉哉:レンズ設計法(共立出版、東京、1972)
2) 牛山善太、草川徹:シミュレーション光学(東海大学出版会、東京、2003)
3) 日本光学会第 35 回冬季講習会テキスト(2009)
図2 微小面積像の明るさの計算