さらに(5)式の場合と同様に考えて
sincossincos
LrrWLW
coscoscos1 rLWW (6)
となり、この式が波面収差の変化量を表す。
参照球面半径が大きくなればα>α’なので、(6)式右辺第 3 項は-r を最小とする負の
値をとる。また、rが大きくなれば、αとα’の差が小さくなり絶対値は小さくなる。さらに
第2項について cos の 2 次近似を行なえば
2
2
L
となる。この項も L の増大に対して(1/L とαは比例関係にあると看做せる様になるので、)
減少していく項である。
ここで、前回(2)式
2
2
TQE
(2)
を考えれば、この式における Q’T に W’を代入すれば(αも上記のα’に置き換えられる)、
参照球面半径を大きくしていった場合の、前回における2つの波面収差の定義の誤差△E を検
討することが出来る。そして、ここまでの考察により(2)式において L の増加に伴い、αは減
少し、Q’T は増大しないので、参照球面半径を大きくすれば△E は減少する事が分かる。
さらに参照球面半径を無限大にすれば cosα’=1 であり(6)式は
)1cos
rWW (7)
或いは
)1cos
rWW (8)
となる。
3. 波面収差の計算方法
一般的に、コンピュータ上では波面収差は実際には光線追跡を行い、その光線が、無収差
の点、一般的には絞りの中心を通過する主光線の像面到達点を中心とする、任意の半径の参照
球面に達するまでの光路長を得ることにより計算される。参照球面曲率中心を通過する主光線