る。(3)式は伝播による振幅、位相変化係数 K1,2 を含んでいないので、ピンホール Q1,Q2に
おける強度を表している。また(4)式右辺第一項と第二項はそれぞれピンホール Q1,Q2か
らの光波が別々に Q に影響を及ぼす強度であり、
222
2
111
)1( ,IKKQIIKKQI
と表そう。
ある瞬間に、
V
1(
t
)、
V
2(
t
)間の位相関係がランダムであれば、時間平均の結果、(4)
式第三項は消えてしまう。これはインコヒーレントな状態に当たる。もし、
V
1(
t
)、
V
2(
t
)間
に何らかの位相関係(相関が)が存在すれば、単純な2光源によるインコヒーレント和は
成立しなくなり、より複雑な扱いが必要になる。この考え方がコヒーレンシーを扱う場合
の基本となる。この(4)式第三項はコヒーレンス計算を行う場合に重要な役割を演じる。
そこで、
12 tt と置いて、
tVtV
2112
-(5)
を、相互コヒーレンス度(mutual coherence)として定義する。二つの光波
V
1(
t
)、
V
2(
t
)
の波動としての類似性を、二つの波動間に、時間差 τ を与えた場合の、二つの関数の相関
関数で表現していることになる。(5)式を用いて(4)式を表現すれば、また、
c
s
c
s12
であるから、
c
ss
KKIKIKQI 12
12212
2
21
2
1Re2 -(6)
となる。さらに二つのピンホールが一致する場合を考えれば
tVtV
1111
-(7)
なる、自己可干渉度が定義できる。時間的なコヒーレンスを表現できる。もし、時間差が
0であれば、(3)式の通り、