A
rd
sin
sin
26.0 (17)
と表現出来る。ここで、コヒーレントな条件をさらに簡潔に表すために、射出瞳径、光源像径と、
それらの間隔 Z’の関係が近軸量として扱える場合には、或いは正弦条件が成立している場合に
は(17)式は、
p
’を射出瞳半径として、
A
Ar
pr
Z
Z
p
d26.026.0 (18)
と表せる。d’>>2
p’
となりコヒーレント領域が瞳上全域を占める場合には、射出瞳全面がコヒー
レントな状態になる。この時の条件は(18)式より以下の如くに表現できる。
A
r
13.0
(19)
また、
A
r
13.0
(20)
の場合には、d’<<2
p
’であり、射出瞳面内のコヒーレント領域は他の光波の透過領域に比べ微小
であり、射出瞳はインコヒーレントな状態にあると考えられる。
2. インコヒーレントな射出瞳照明における照明光学系収差の影響
このインコヒーレントな射出瞳の状態は、像面上の 2点Q’’1、Q’’2を考えるとき、本連載 33
回で考えた(33 回図1参照)状態、インコヒーレントな面光源を前提とした場合と同様であり
(32-11)式(33-7)(33-8)式(或いは(33-9)式)において Q’1、Q’2 →Q’’1、Q’’2、S→P’と置き換え
て複素コヒーレンス度μ12 が得られる。この場合の計算に必要となる、射出瞳上の点 P’における
強度 I(P’)はP’に対応する入射瞳上の点の強度、透過関数の絶対値を元に(5)式により計算される。
ここでの計算、入射瞳から射出瞳への光波の伝播の計算には光学系透過の際の位相変化(すなわ
ち波面収差)が含まれていないのでμ12 は光学系の収差に影響を受けない。
3. 参考文献
1) M.Born&E.Wolf:光学の原理Ⅲ、第 7 版/草川徹訳(東海大学出版会、東京、2005)
2) 小瀬輝次:フーリエ結像論(共立出版社、東京、1979)
3) 牛山善太:波動光学エンジニアリングの基礎(オプトロニクス社、東京、2005)