光学設計ノーツ
光学設計ノーツ 4 (ver.1.0)
Newton ring について
Newton ring とは現代でも、レンズ研磨工程、或いは検査においてレンズ表面の品質
を簡便に、多くの用途で十分な精度で検査するために大きな役割を果たしている干渉縞の
ことである。この干渉縞を検査に用いる手法は、その名の通り18世紀から実用化されて
いる検査法であるが、堅牢な干渉測定器がレーザの生まれる遥か以前のこの時代に完成さ
れ、今日まで成果を上げ続けている事になる。今回はこの Newton ring について考えさせ
ていただきたい。
1. 楔形薄板における干渉
前回は平行な薄板における干渉を考えたが、今回は互いに平行ではない平面で構成され
た、空気中の屈折率nの楔形の薄板による干渉を考えよう。
図1において S を点光源としてそこから表面上の点 A で硝子に入射・屈折して裏面 B
で反射し S’に至る光線と、S から直接 S’にいたる光線による点 S’、硝子表面上の点近
傍における干渉を考えよう。ここで図 1 の如く、S’から線分 AB に垂線を下し、其の交点
を K とする時、S’における厚さ d が S から、A,或いは S’までの距離に比べ十分に小さい
とすれば、KS’を光線 AB に直交する波面と考える事が出来よう。であれば光路長を[ ]で
表せば、
'SSSAK
従って S’における二つの光線の光路差は
nBSKBSSSABS ''' (1)
また、B 法線から計った B における入射角、反射角をθとして
cos
'd
BS
2cos'BSKB