
上述と殆ど同様な計算が行なわれるので詳しくは触れないが、基本となる波面収
差
W
は 
 
          
22
3
22
2
22
ubuducW       (16) 
 
と表わされる。 
      この計算においては上述と同じ量の正の3次収差を用い、それにバランス
する様に、負の 5 次収差を設定してある。図 2 においては、図 1 の場合と異なる
比例定数を用いているので、縦軸方向においては単純に比較できないが、横軸、
x
座標は同スケールで描かれているので、3次収差のみの場合と比べ、高照度部
周辺に広がるフレアが減少し、フレアを抑えた状態での光の芯も細くなっている
ことが容易に分かる。 
   また、
b
が、近軸結像位置を超えて正方向に増加する時(ボケて行く時)、
3次収差のみの場合には、単調に分布の起伏が緩やかに変化して行くのに比べ、
中心部の変化は3次のみの場合とあまり変わらないが、負の5次収差が存在する
場合には、その影響で周辺部に図 2(a)における様な発散部を生じることが理解
できる。 
 
 
4.参考文献 
1) 草川  徹:レンズ光学(東海大学出版会、東京、1988) 
2) 草川  徹:レンズ設計者のための波面光学(東海大学出版、東京、1976) 
3) 久保田広:応用光学(岩波書店、東京、1980) 
4) 辻内順平:光学概論Ⅰ(朝倉書店、東京、1979) 
5)     松居吉哉:レンズ設計法(共立出版、東京、1972) 
6) 村田和美:光学(サイエンス社、東京、1979) 
7) 牛山善太、草川 徹:シミュレーション光学(東海大学出版会、東京、2003)