ベクトルとの内積を用いて、内積はベクトル各成分それぞれの積の和であるから、(13)式は、
trkAtru
cos, (14)
と表現することができる。 この波動はスカラー波動方程式、
2
2
22
2
2
2
2
21
t
U
z
U
y
U
x
U
(15)
を満たす。
さて、ここで、複素表示を用いると(exp の実数部のみ有効という置き換え)、
trkiAtru
exp, (16)
とすることができる。また、多数の光波の干渉等を考える場合、自ずと同一の光源から発し
た光波の重ね合わせについて、同時刻において考えなければならないので、光学では空間成
分のみを問題にする場合が多い。(16)式から時間依存項を省略すると、
rkiAru
exp (17)
と表現できる。
3. 参考文献
1) M.Born & E.Wolf :光学の原理Ⅲ、第 7版/草川徹訳(東海大学出版会、東京、2005)
2) 石黒浩三:光学(共立出版、東京、1953)
3) 小瀬輝次:フーリエ結像論(共立出版,東京,1979)
4) 草川 徹:レンズ設計者のための波面光学(東海大学出版、東京、1976)
5) 村田和美:光学(サイエンス社、東京、1979)
6) 谷田貝豊彦:光とフーリエ変換(朝倉書店、東京、1992)
7) 牛山善太:波動光学エンジニアリングの基礎(オプトロニクス社、東京、2005)