光学設計ノーツ 81_2
ホイヘンスーフレネルの回折積分について 1
これまでにキルヒホッフによる、回折積分計算等には触れさせていただいた。
今回は、より回折理論を直感的に表すホイヘンスーフレネルの回折の考え方について、改め
て整理させていただきたい。ここでは主に参考文献1)を参考にさせていただいている。
1. 光波の合算
点Qから発した光波が絞りに達し、さらに像面(スクリーン)に達しているとする
(図 1)。この時の像面上の点 Mにおける、光の強さを求めようとすることが、結局、今回
の課題である。Qを出た球面波は絞り Sのところに達し、この時の波面を Wとしよう。絞
りの中心 OとQを結ぶ線を Z軸とし(一般的には光軸)像面は光軸に垂直で、光軸との交
点を Q’としよう。QとOの距離を a、OとQ’の距離を bとする。
図1
ホイヘンスーフレネルの理論の言わんとすることは、ここでの波面 Wを無限に細い領域
に分けて(波面を同心円状の非常に細い面積に分割していっても良い)、それぞれの領域か
らMに及ぼす波動的影響を計算し、その代数和を得れば Mにおける振幅が得られると言う
ことである。
さて仮に点光源 Qからの半径 1の波面上の波動を
Q Q'
W
M
P
a
b
y
z