また、1979年に、波長555nm において、放射束 1ワットに対し光束が 683 ル
ーメンと定義されたので(明るさの単位については下の項をご参照ください)、変換係数
は、
(2)
となる。一般的に物理的なエネルギー量を基にした照明系の単位を放射量、視感度を考慮
した光束を基にした単位を測光量と呼ぶ。一般照明の様に人間が光を感じるための器具で
あれば、紫外線や赤外線などの人が感知できない波長領域のエネルギーはカットして明る
さを考えた方が都合の良い事になる。
例えば 480nm で放射量 1ワットの発光は、図 1 に示された分布
V
(
λ
)より、555nm
と480nm における値の比を
V
(480)に代入して、測光量では約 95 ルーメンと計算できる。
この様に、光源からの光に含まれるすべての波長域について物理量を元にし(1)式による積
分(コンピュータ上では波長域を細かく分けた離散的な、上述のような計算の和になるが)
を行い、測光量の光束が得られることになる。
現在の照明系設計ソフトにおいては、これらの 2 つの単位系の相互の変換は簡単に行
える。
2. 立体角
光の明るさを定量的に表す場合には、どうしても光の広がりの角度を3次元的に表す
必要が生じ、その役割を果たす立体角は以下の通り定義される。半径
r
の球表面
S
を切り
取ってできる立体を考え場合に、この球中心からの広がりが立体的な角度を表す。(図 2)
Ω=S/r2 (3)
本来、面積
S
は球表面上であればどの様な形でも良いが、オーソドックスに球表面上の円
と考えれば、球中心から(照明系設計では光源から、と考えても良い)の2次元的な広が
り角度θ(半角)と、立体角Ωとの関係は