
LED 照明ノーツ 19
レンズを使う 6
<プリズムの最小振れ角について>
これまで、お話しさせていただいてきた収差の話からは少し脱線するが、今回はプリ
ズムによる光線の曲りについて解説させていただきたい。プリズムと言うものが光学素子
としては非常に一般的なものであるので、光学機器を使い熟すうえで、勿論有用な topic で
あるが、プリズム面の連続としてレンズを考えることにより、レンズの収差発生の原因に
ついて考察する際にも非常に役に立つ知識である。
多少、導出式の部分が多くなったが、意外に単純では無いため、詳しく知りたい方も
おられると思い、記した。不必要な方は、(15)式以降の結果のみご参照ください。
1. プリズムとは
プリズム(prism)とは、光を屈折、或いは全反射させるための光学素子であ
り、硝子、水晶などの透明な媒質により成る、複数の平面により構成された多面体
である。像を回転させたり、あるいは光を分散させたりするために様々な形状のも
のが存在する。
ここでは、その屈折の性質を調べるために断面が図 1 にあるような、三角柱の
最も基本的なプリズム形状を考える。