LED 照明ノーツ 24
レンズを使う11
<張り合わせレンズにおける色収差の除去>
前回は色収差を考えるうえで非常に重要な、アッベ(Abbe)数について解説させて戴
いたが、このアッベ数と焦点距離を計算する近軸理論の組み合わせにより、薄いレンズ同
志が密着した場合における、焦点距離の色収差除去のための条件を導くことが出来る。こ
の条件は照明系をも含むすべての、多色の状況における、レンズ系配置の基本を示唆する
ものである。
1.色収差を除去できる条件
前回、触れさせて戴いた通り、d線(587.6nm)を中心として、C 線(656.3)、F 線(486.13)
の焦点距離の色収差を考えれば、
1
d
CF
n
nn
f
f
(24-4)
(24-4)式右辺の逆数νdをとり、正の値を考えると
CF
d
dnn
n
1
(24-5)
となり、この値を Abbe 数と呼んだ、硝材などの光学媒質の波長に依存した性質を表わす定
数である。さて、(24-5)式を焦点距離の変化の式、(24-3)式、
1
n
n
f
f
(24-3)
に代入し計算すると