なので、倍率 mtの時に前群と後群が最も接近することが分かる。この最少間隔は機構的に
このズームレンズを成立させるためには非常に重要な数字と成る。ここで、wide とtele の
焦点距離の比、
w
t
w
tm
m
mf
mf
1
1
(10)
はズーム比を表す。
図3はこの 2群形式を見事に現実化した例である[4]。当時としては高屈折率の硝材を
用いて、前方のレンズの屈折力を上げ、小径化を成し、前群、後群のレンズ配分にも考慮が
伺える。また当時急速に進歩していたコンピュータの演算能力を有効に活用した成果とも
いえる。
さらに、ズーミングのために複雑な動きを安定して実現させ得る、そして勿論、製造可
能な鏡筒・機構部分の設計にも多大な努力が払われたことと推察される。
図3 2群ズームの例 Canon 35-70mmF2.8-3.5(1972)上図が wide 時。