ところが、これらの照明系の図 5、図 6における輝度分布をみてみると好ま
しくない分布が表わされている。
上述の様に輝度分布は光源を見上げた場合に、人間にはどのように照明系が見え
るのか、と言うことを表している。そうすると、このままでは観察距離によらず
明るい輝点が 7個輝いているように見えるのは当然である。すべてのエネルギー
がこの 7つから放射されている様に見えるわけであるから、“眩しい”と言うこ
とになる。
蛍光灯はある程度の発光面の広がりを持って光っているので、同じエネルギーが
出ているとすれば、とんでもない方向を照らしていない限り、LED 照明はより
眩しいものとなる。LED 自体の明るさを落としたり、方向をそらしたりしても、
所望の方向への照明は暗くなってしまう訳であるから、LED をばらばらに並べ
ただけでは光源の発光特性や配列、距離による眩しさの調整は困難なものと成る。
そこで、必要となるのが拡散性をもった素材である。光源の前に取り付けるシー
トが、その代表的なものである。新しい、高品位な照明器具として LED を扱う
場合には、こうした拡散性を齎す機能は必要不可欠な要素であると思われる。
また、被照明面上の照度分布に注目して考えるとして、より均一な照度分布
が望まれる場合、やはり光源間隔と照明距離との関係で、ある程度、分布が調整
できると言っても、照明系の大きさ、距離による制限、或いは LED 光源数にお
ける制限がある場合などには、満足な均一度を得るのに難しい面もある(図3)。
こうした場合の照度の均一化にも、当然のこと、拡散シートは有効な働きをする。
拡散シートとしては、読んで字の如くで、光を色々な方向に拡散すれば良い
訳で、様々な原理によるものが開発されている。ただ、その際に光エネルギーの
利用効率、拡散のコントロール性などにそのシートの性能が反映されてくる。
図7は図 3のシミュレーション data において光路中(光源から 50mm の位
置)に拡散シート(拡散角度全幅 80 度の製品 6))を挿入したものである。残っ