と置く。ここでは、光源は面積を持っているのでどうしても光度を面積的な広がりと結び付
けなくてはならない。光度は本来、点光源に対して、あるいは光源を非常に遠方から測定し
た場合に定義される量であるから、面積と結びつく照度を、そこから導き出す場合には少し
工夫をする必要がある。光度の単位は光束/立体角なので、ここからはどのくらいの大きさ
の光源からどのくらいのエネルギーが出てくるかを知ることはできない。そこで、もし、被
照明面上の照度の比を考えるのであれば、画面上のごく微小な面積から射出する光の立体
角度毎の光束の分布は、光源を無限遠においた時の厳密な光度(放射強度)分布と同じプロ
ポーションを持つであろう、と考える。その光度分布が光源面上の各微小部分で一定に保た
れているとすれば、上記の光源微小面積と単位面積との比を
k
として全面積
ds
、そして立
体角に乗じることにより、全光束が得られる。さて、軸外については、光源の面積だけが問
題になるので cosθの効果を考える必要がなくて(光度は、特定の方向に流れ出る明るさそ
のものであるので、光源の見た目の面積に影響を受けない)、
となる。光源の配置計算では、
I
(θ)に図 2 にある分布をあてはめ、この関係式を用いて
いる。完全な点光源のように、光度に指向性が無ければ
I
(θ)=1となり、
E
は
E
0にcos
3
θを乗じたものと成る。
3.汎用的な光源の設定方法
ここまでは、光源メーカ等の光度分布データをもとに照度分布評価を行うことを考てき
たが、照明計算プログラムで多く取り入れられている基本的な光源データ入力の方法につ
いて説明させていただく。
簡単に言えば、上記の光度と、光源単位面積当たりからどのくらいの光束(測光量ではル
ーメン)が放射しているかの二つの量が分かればよい。後者は光束発散度(測光量)、或い
は放射量では放射発散度と呼ばれる。光源の面積が分かっていて、その面内で発散度の偏り
が無ければ、光源面全体から放射する光束を入力すれば良いことになる(カタログ等に出て
いる総放射量である。)。光源面内で、放射角度の偏り、或いは場所による発散度の偏りが
あれば、図 5 にある様に、光源を幾つかのセクションに分けて、個別の光度と放射発散度を
入力する。図(a)(b)は分かりやすいように微小光源間に距離をとったかとっていない
かの違いしか無い。