LED 照明ノーツ 9
表面のランダム面における面粗さの表現につて
前回から、本連載において物質の表面荒さの表現についての解説を始めさせ
ていただいた。今回ではランダムな構造を持つ物質表面において、その表面荒さ
の表現方法について考えさせていただこう。勿論、ランダムな荒さの形をそのま
ま数学的に表現することは出来ないので、統計的な数字を扱うことになる。様々
な面の拡散性を扱う場合には重要な考え方となる。
1. ランダム面における面粗さの表現
プロファイルがランダムな面に対してはこれまでの様な一定の関数を用い
る表現は難しいが統計的な表現を行なうことはできる。1次元表面形状関数 z(x)
の変りに表面凹凸高さの確率分布関数 P(z)を用いることにする。zなる事象の
起こる確率が P(z)で表されている。例えば、P(z)の区間 z1から z2までの積分は、
(P(z)は積分中に変化するzのそれぞれの値に対する、その現象の生起する確率
であるから、その連続的な和である積分は、)高さzが z1から z2の間に存在す
る確率を表わす。
この分布関数のタイプについてはいろいろなものが想定できるが、中心極限
定理からガウス分布を用いるのが一般的である。ガウス分布に限らず統計的標準
偏差は、n個のサンプルを考えれば、平均値を
x
i
として、
2
1
1
2
1
n
iixx
n
(1)
と表わされ、これまでの rms 値と同じものを表わす。因みに、本連載前回(第8
回)で示した rms 荒さを表す連続的な式は以下の通りである。
2
1
2
2
2
1
lim
L
L
Ldxzxz
L
(8-9)
一般的にこの標準偏差を用いてガウス分布は以下のように表わされる。