光学設計ノーツ12.フェルマーの原理からアイコナール方程式、光線方程式へ
前回、光学設計ノーツ11 において光線を中心としたマリューの定理とフェルマーの原理について触れた。
Maxwell の電磁方程式以前の光学の重要な出発点である。
今回はその続きとして、フェルマーの原理からアイコナール方程式の、そして媒質中で光線が進むべき経路を具体的に定める光線方程式の導出を行なう。
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光学❝深掘り❞トピックス
11.マリューの定理とフェルマーの原理
光学設計ノーツ11.マリューの定理とフェルマーの原理
太古から人間は光を光線と言う象徴を用いて、その性質・挙動を理解し整理してきた。
この様な研究領域を幾何光学と呼ぶ。
そして付随的に幾何光学的波面というものが想定され、これは幾何光学的な光線通過経路計算と、その光線の像面上の到達点における位相差計算・波動光学的な強度分布計算の仲立ちをする非常に重要な概念となる。
光線はこの波面に直交する法線を繋いでいったものと考えられ、これらの光線の集散状況を解析する、収差論的にも重要な意味を持つ。
今回はその幾何光学的波面の持つ基本的な性質と、そこから導き出される光線の進行経路の法則について触れる。
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10.画像処理による歪曲収差補正について
光学設計ノーツ10.画像処理による歪曲収差補正について
1.歪曲収差の補正
画像処理による収差補正技術の内、現状でも十分に実用化されているのが歪曲収差の補正である。
ちょっと順序が入れ替わった感があるが、今回はこの収差補正の画像処理について触れさせていただきたい。
基本的には歪曲収差補正に於いては像点位置の移動、歪んだ倍率の修正が行なわれる訳であるから比較的扱い易いのは明らかである。
高倍率のズームレンズ等では歪曲収差の補正は困難なものであって、そこから逃れられる事は収差補正的に非常に有利である。
また安価な光学系を考える場合にも有益である。
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9.画像処理による点像補正について
光学設計ノーツ9.画像処理による点像補正について
1.点像の補正、その基本的な考え方
画像処理における点像の補正は、一般的には歪曲収差補正の場合とは異なり、画像内で分離された情報を扱う訳では無いので困難が伴う。
画像回復的な意味を持っており、進展が大いに期待される分野であり、またデジタル画像と言うものが歩を進めて行かざるを得ない方向でもあろう。
そこには種々の手法があるがここでは最も基本的な、光学的な範囲から逸脱しないデジタル・フィルタリングの考えかたを示す。
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8.エッジの結像とその画像処理と光学設計について
光学設計ノーツ8.エッジの結像とその画像処理と光学設計について
一般的なマシンビジョンにおいて、あるいはデジタル画像のエッジの補正において、物点とこれに対応する点像の位置の対応が正確に認知出来ることは重要なことであり、意外と困難が付きまとう。
単純な点像の位置ズレである歪曲収差の影響を除いたとしても、収差により、ある程度の大きさの広がりを持ってしまう点像のどこが、正しい結像の位置を示しているのかを知る事は、簡単なことではない。
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7.デジタル光学機器のサンプリング画像について
光学設計ノーツ7.デジタル光学機器のサンプリング画像について
1.はじめに
今回からは、趣向を大きく変えて現在の光学機器を考える上で中心的な撮像システムと言ってよい、CCD,CMOS 等によるデジタル画像システムについて検討させていただく。
こうした素子は、フィルムなどに比べ、より受光部の構造性が顕著であり、それが出力値に大きな影響をもたらす。
こうした受光ディバイスとしての重要性が増している撮像素子により得られるサンプリング画像とレンズ等による古典的な光学系による結像との関係について主に検討する。
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6.ホログラフィと正弦波振幅格子
光学設計ノーツ6.ホログラフィと正弦波振幅格子
前回と同様に今回も、回折光学素子(DOE)を理解する上での基本としてホログラムを考える。
今回はそのホログラムにシンプルではあるが具体的な形として正弦波形状を与えて考えてみよう。
回折格子や、複素電場を考える場合に有用な平面波角度スペクトル表示法の理解にも繋がる。
1. 正弦波振幅格子…
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5.ホログラフィの記録・再生について
光学設計ノーツ5.ホログラフィの記録・再生について
今日、所謂古典的な技術である光学設計の分野においても回折現象を積極的に利用した回折光学素子(DOE)の存在を意識し、その性質をある程度理解せざるを得ない時代になってきている。
入門的な意味でその特徴を理解するためには干渉を利用した回折光学素子としてのホログラムの記録、再生の過程を理解することは有用かと思われる。
今回はこの様な内容について触れさせていただこう。
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4.Newton ringについて
光学設計ノーツ4.Newton ringについて
Newton ring とは現代でも、レンズ研磨工程、或いは検査においてレンズ表面の品質を簡便に、多くの用途で十分な精度で検査するために大きな役割を果たしている干渉縞のことである。
この干渉縞を検査に用いる手法は、その名の通り18世紀から実用化されている検査法であるが、堅牢な干渉測定器がレーザの生まれる遥か以前のこの時代に完成され、今日まで成果を上げ続けている事になる。
今回はこのNewton ring について考えさせていただきたい。
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3.平行平面板硝子による干渉縞
光学設計ノーツ3.平行平面板硝子による干渉縞
前 回 は 硝 子 基板上の光学薄膜による反射率・透過率の変化について考えたが、今回は同じ様な薄い誘電体層により( 空気中に単独で存在すると考えるが)形成され、ある測定位置においてのみ観察可能な局在する干渉縞について考えよう。
1 . 平行薄板による干渉
図-1 に示すように空気中に置いた屈折率n 、厚さd の薄く透明な平行平面板を考えよう。
点光源からの単色光がA で入射角θで入射するとする。A において一部の光はフレネルの公式の表わす通り、反射しR1 に向かい、他の光はス
ネルの法則…
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